昨日の朝、家を出たらほのかにキンモクセイの香りがしました。花の咲き始めには、街全体がその香りに包まれているように感じます。
秋の味覚の松茸やさんまも良い香りがするし、秋の最盛期が来たんだなと思いました。
これから冬にかけては、少しずつ気温が下がっていき、日も短くなって、季節はグラデーションのように変化していきます。冬のように、寒くて暗くて動きが少なくなる季節を東洋医学的には「陰」の季節、逆に、温かくて明るくて、どんどん動きたくなる春夏の季節を「陽」の季節と捉えます。
中国には、世の中のものは全て「陰」と「陽」の二つからできているという考え方があり、「陰」は静かさをイメージさせるもの、「陽」は活動性をイメージさせるものが当てはまります。一日の中では、昼間は「陽」夜間は「陰」といった具合です。
そして、「陰」と「陽」は急に入れ替わるのではなく、少しずつその量が増えたり減ったりしながら、交代していくものと考えられています。
季節の変化、一日の明るさや温度の変化も少しずつですし、月の満ち欠けや、女性の月経も全て少しずつの変化を繰り返しています。
東洋医学には、このような変化の事を表す「陰陽消長」という言葉があります。「陰」と「陽」は少しずつその量を変えて変化していくという意味があると同時に、いつまでも「陰」のまま、いつまでも「陽」のままであるということはないという意味もあります。
「陰」の時期には少し大人しく過ごして力を蓄え「陽」の時期を待つ。「陽」の時期には元気に過ごしながら「陰」の時期に備える。このように考えて過ごすと、どんな時期でも、あまり変化の影響を受けずに過ごせるように感じます。
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