本をよく読むようになったのは、大学を卒業してタイへ行って、身の回りから日本語のものがほとんどなくなってしまった時からでした。
たまたま買って持って行った小説がとても面白くて、本は音楽や映画みたいに楽しいものなんやということに気づきました。
東洋医学の勉強をしていると、2千年前の人が書いてはる事が、今も変わらずに役立つという事にも驚いたりします。
1冊の本が長く読み続けられる、時間を超えたエネルギーとか、1冊の本が生み出されるまでに関わっている、たくさんの人々のエネルギーとかがあって、初めて自分の手許まで届いている、小さな紙の束に、不思議な魅力を感じています。
子どもの頃から、通学路の途中や学校の中にある、ちょっとした大きさの、草木が茂っている所が好きでした。
鴨川や、御所へもよく遊びに行って、成長するにつれて、学校や職場が緑の多そうな所へと移動していっていました。
今いる寺町二条の周辺には、丁寧に手入れされた街路樹と、その根元にも様々な草花が植えられている所が多く、少し時間がある時には、東の方へ足を向けると、山のすぐ側まで行くこともできます。
くもりや雨の多い時期、山や緑はいきいきとしていて、側へ近づくと少し爽やかな気分になります。
桜が咲くと、冬が終わって春が来たなあという感じがしますね。
春は、2月上旬から5月上旬までの期間で、肝臓がよく働いて、体の動きが活発になり始め、体の毒素を排出する働きも高まる季節と言われています。
それから、夏は心臓、秋は肺、冬は腎臓、土用(それぞれの季節の終わり頃)は膵臓がよく働くという、1年のサイクルがあるとされています。
また、1日の24時間にも、それぞれ内臓がよく働く時間帯があると言われています。
大まかには、明け方は肺、朝は膵臓、昼間は心臓、夕方は腎臓、夜中は肝臓というサイクルになっています。
1年の中で調子の良い時期と良くない時期があったり、1日の中で調子の良い時間帯と良くない時間帯があったりすることもあって、そういったお話をお聞きして、治療の参考にさせて頂く事もできています。
カンフー映画などで見かけるような気がする左のマークは、太極図と呼ばれるもので、鍼灸治療にも関係があります。
白い部分がプラス(陽)の要素、黒い部分がマイナス(陰)の要素で、光と闇に例えれば、昼と夜が移り変わっていく様子、暑さと寒さに例えれば、季節が移り変わっていく様子と捉える事ができます。
また、物が生み出されたり、壊されたりする様子に例えれば、一人の人間の体の中身も、人を含む自然界の物質も常に循環し続けている様子と捉える事もできます。
白の中の黒い点、黒の中の白い点は、それぞれの完全な状態はなく、物事は常に移り変わっていくという考え方が表わされています。
常に循環しているイメージを表すこの図は、固定されていると感じている物事にも、いつも変化が起こっているという事に気づかせてくれます。
お正月が過ぎて、春の明るさを何となく感じられるようになってきました。
寒さはまだ厳しく、カゼ等の体調不良には気を付けたいところですね。
この年末年始には、肩が痛いという方に自分でできるお灸をおすすめしたら、楽になったと喜んでもらえたり、年賀状で、お元気そうな様子をお知らせ頂ける方がおられたりと、ありがたい気持ちになる出来事がいろいろありました。
鍼灸治療の良さを生かしていけるように、これからも勉強を続けていきたいです。
本年もよろしくお願い申し上げます。