年の瀬も押し詰まってきました。12月に入っても、最高気温が20℃を超すような日があり、暖かな日が続いていましたが、ここ数日急に冷え込んできましたね。このように気候が乱れていると、人の体もその影響を受けて、調子がいまひとつ整いにくくなります。
冬至が過ぎたばかりのこの時期は、1年のうちで最も日照時間が短く、太陽も低い所を通るので、高い建物に囲まれていると、日光を浴びる時間がほとんどなくなってしまいますね。
日光を浴びる事は、人間の体にとって大切な、様々な作用がありますが、そのうちの1つに、脳の中にセロトニンというホルモンができるということがあります。
セロトニンというホルモンは、人のやる気と睡眠に関わる大切なホルモンで、それが作られるためには、朝の日光を浴びることが必要になります。
この時期は、意識しないとなかなか日光を浴びることはできませんが、寒い朝でも暖かい服装でほんの少し外へ出て、お日様の光に当たっていると、お風呂に入っている時のような、ぽかぽかとした気持ち良さを感じられます。
体の調子が今ひとつ整いにくく、過ごしにくい時期ですが、午前中に5分間だけでも太陽の光を浴びる事で、少し気持ち良く過ごせるようになると思います。
最後になりましたが、この1年を振り返って、無事過ごさせて頂けたのも、身の回りのたくさんの方々のお力添えのおかげと、心から感謝をしております。
来る年が、明るい年である事をお祈り申し上げます。
昨夜の雨と風で、美しかった紅葉も随分と散りましたね。今朝の街中は、落ち葉の積もる冬の風景と、12月とは思えない生暖かい風が、とてもアンバランスに感じました。
今年の冬は、エルニーニョ現象の影響で暖冬になるとの予測が出ていましたね。しかし暖冬とはいっても、ほんの数日前までは朝の冷え込みが強く、各地で雪も降りました。冬の寒さは体にこたえますが、毎日の気候が不安定なことも、体調を崩す原因になります。
毎日何を着たら良いのかわからない。厚着をしすぎて汗をかいた。というお話もお聞きしますが、冬場に汗をかくと、その汗で体が冷えたり、開いた毛穴から体の中に冷えが入ったりするので、注意が必要です。
一般に、高齢の方は気温の変化を体に感じにくくなると言われますが、若い人でも肩が凝っていると、自律神経の働きが鈍くなって、気温の変化を感じにくくなります。
体の感覚だけで温度調整が難しくなっている時には、毎日の天気予報で、夜寝る前や出かける前に、以後数時間の気温の予想をチェックすると良いです。デジタルテレビなら、dボタンを押せばいつでも近くの天候がわかる、便利な時代になりました。
それから、室内に温度湿度計を置いて、自分で確認するのもおすすめです。温度を目で見て確認し、それに合わせて服装を調整する事で、思わぬ冷えから体を守ることができます。
木々の葉が徐々に色を変えて、街中が秋色に染まり始めましたね。
もみじや桜の赤い葉、イチョウの黄色い葉も素敵ですが、ついこの間まで花が咲いていたのに、いつの間にか花が終わり、黄色と緑の葉が半分ずつ混じり合っているサルスベリもまた美しいなあと思いました。
ここの所、寒さは少し和らいでいますが、暦の上では霜が降り始める霜降を迎えます。
寒さが厳しくなってからよりも、早い時期から体を温める工夫をしておく事で、冬の寒さに負けずに過ごせるようになります。
体を温めようと考える時に、一番単純な方法としては、温かい、火の通った物を飲んだり食べたりするということがあります。どれだけ体を外から温めたり、冷えないように厚着をしたりしていても、冷たいものを口から入れて、体を中から冷やしていると、体を温めることは難しいです。
食べ物には、体を温めるものと冷やすものがあり、調理法によっても変わったりします。冬によく食べるみかんも、そのまま食べるのではなくて、皮ごと焼いて食べるのが、昔からの知恵なのだそうです。
あまり詳しく考え出すと複雑になってしまいますが、まずは大きな分け方として、生のもの、冷たいものは体を冷やす。火の通ったもの、温かいものは体を温める。というぐらいの認識で、口に入るものを選んでみると良いと思います。
昨日の朝、家を出たらほのかにキンモクセイの香りがしました。花の咲き始めには、街全体がその香りに包まれているように感じます。
秋の味覚の松茸やさんまも良い香りがするし、秋の最盛期が来たんだなと思いました。
これから冬にかけては、少しずつ気温が下がっていき、日も短くなって、季節はグラデーションのように変化していきます。冬のように、寒くて暗くて動きが少なくなる季節を東洋医学的には「陰」の季節、逆に、温かくて明るくて、どんどん動きたくなる春夏の季節を「陽」の季節と捉えます。
中国には、世の中のものは全て「陰」と「陽」の二つからできているという考え方があり、「陰」は静かさをイメージさせるもの、「陽」は活動性をイメージさせるものが当てはまります。一日の中では、昼間は「陽」夜間は「陰」といった具合です。
そして、「陰」と「陽」は急に入れ替わるのではなく、少しずつその量が増えたり減ったりしながら、交代していくものと考えられています。
季節の変化、一日の明るさや温度の変化も少しずつですし、月の満ち欠けや、女性の月経も全て少しずつの変化を繰り返しています。
東洋医学には、このような変化の事を表す「陰陽消長」という言葉があります。「陰」と「陽」は少しずつその量を変えて変化していくという意味があると同時に、いつまでも「陰」のまま、いつまでも「陽」のままであるということはないという意味もあります。
「陰」の時期には少し大人しく過ごして力を蓄え「陽」の時期を待つ。「陽」の時期には元気に過ごしながら「陰」の時期に備える。このように考えて過ごすと、どんな時期でも、あまり変化の影響を受けずに過ごせるように感じます。
9月20、21日の二日間、大分県別府市で開かれた第30回弦躋塾セミナーに参加してきました。
弦躋塾 (げんさいじゅく)は、大分市で50年以上に渡り治療を行っておられる、首藤傳明先生の主宰されている勉強会です。
毎回全国から100人以上の塾生が集まる勉強会で、31年間続けて来られましたが、今回で終講とされる事になりました。
私の師匠の三浦先生は学生時代から28年間通っておられました。毎回何か必ず1つは学んで帰る事があると言っておられ、私も鍼灸学校の1年生の時から、三浦先生の勧めで通い始めました。
今まで知らなかった治療の仕方や、考え方などたくさんの事を、首藤先生を始めとして、諸先輩の先生方からも惜しみなく教えて頂き、感謝の気持ちでいっぱいでした。
短い期間ではありましたが、弦躋塾から学ばせて頂いた、「勉強する姿勢を持ち続ける事」を大切に、これからも過ごしていきたいです。
首藤先生が終講にあたり、31年間続けてこられたのは、塾生の愛情の賜物だと仰られた言葉が、心に残りました。
朝晩とすっかり涼しくなり、鈴虫の声が耳に心地良い季節になりましたね。
今年の夏は特に暑さが厳しい日が続いていましたが、お盆を過ぎた辺りから急に涼しくなり、気づかないうちに体が冷えていたりします。
今の時期は、日中と朝晩の気温差が大きかったり、日によっての気温差も大きかったりして、調整が難しいですね。体から熱を逃す必要がある時と、体を冷えから守る必要がある時が、毎日ころころ変わるので、安定して過ごすのが難しいです。
体が夏向けの状態から、秋冬向けの状態に変わる途中の時期なので、体に冷えが入りやすいです。体が冷えていると、日中の暑さが体に応えたり、風邪をひいた時のような体調不良を感じたりします。
足や腰、下腹などを触ってみて、他の部分より冷たい時(自分の手が温かく感じる時)は、足湯や腰湯で温めておくと、少し過ごしやすくなるようです。